第431話 闇40


美女がジーとコチラを見てくる。


完全にロックオンされてしまったようだ。


どうする俺?


他の客と同じように苦しんで見せるのはどうだろうか?

そうすれば穏便に済ませる事が出来るのではないか?

俺ってアッタマ良い!!


自画自賛していると、また頭に声が響く。


「そんな嘘が通用すると思うのか?

 我も舐められたものだ‥。」


え?

まさか俺の考えをよんだのか!?


「バカ者!

 考えなどよめる訳なかろう。

 其方はすぐに顔にでるからの。

 考えをよむのは簡単じゃよ。」


なるほど‥。

って、会話が成立している!?


「ごめんなさい!

 許して下さい。

 何事も穏便にして下さい。」


美女にダメ元でお願いしてみる。


「主はなかなか面白いの。」


美女が声を出して笑う。


いかん!

気に入られてどうするの!?


「とにかく、ここに居るのは奴隷を買いにきた一般人なので面白くないと思います。手枷も外れた事ですし、そのままお帰り下さい。」


お願い、帰って!

俺は心込めてお願いする。


「‥‥‥よし。

 お主、我を買ってくれ。

 生きていても暇だからの‥。

 100年ぐらい遊んでやるぞ。」


遊ぶって100年だよね?

長すぎるよ!!


俺と美女との攻防がスタートした。

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