第430話 闇39
色白の絶世の美女が閉じていた目をゆっくりと開ける。
まつ毛の長さに見惚れていると瞳の色が真紅なのがわかった。
絶世の美女と目が合う。
一瞬、目眩のようなものを感じるが短い間だけだったので不思議に思っていると横のスタンやディアーナが苦しそうな表情を浮かべている。
俺に抱きついている緋莉は何ともないようだ。
オークションに参加している客達から呻き声が聞こえてくる。
うーん、絶世の美女が何かやったなぁ‥。
壇上の黒スーツの男も苦しそうだ。
絶世の美女は身体に付けられていた手枷や足枷を自ら外していく。
外された手枷が床に落ちるとゴンッと大きな音が鳴る。
かなり重たそうな物に見えるが絶世の美女は軽々と扱っていた。
せっかく銀狼が落ち着いたのにまた面倒ごとに巻き込まれると予測というより確信があった。
「暇つぶしにわざと捕まってやったが、存外面白くなかったわ。」
美女がつまらなそう顔で呟いている。
ん?
何でこの距離で声が聞こえてるの??
よくよく考えたら美女の声は頭の中に直接聞こえている。
あー、色白の力持ちの線は消えたか‥。
このまま立ち去ってくれたらいいけどなぁ。
経験上、あり得ないであろう事を祈るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます