第391話 闇35
俺は銀狼に目を奪われていた。
体長は3メートル以上で、綺麗な毛並みをしている。
俺が目を輝かせているとスタンが話しかけてくる。
「あれは貴族が喜ぶ金狼でなく、銀狼だぞ。」
成る程、銀狼より金狼の方が人気あるんだ。
「俺は銀狼のがカッコいいけどな。」
金狼を見たことがないが銀狼を選ぶ自信があった。
それより皆んな気が付かないのかな?
何かあの狼、物凄く神々しい気配がするけど‥。
俺がその神々しさに感動しているとその考えが間違いでなかった事が証明される。
『さすがイチロー君!
あれは神獣の子供ですよ。』
セオリの言葉に驚くとともに、神獣とは知らずにオークションに出す運営の甘さに呆れるのであった。
『神獣何て売り出して問題ないの?』
セオリに疑問をぶつけてみる。
『問題大ありですよ。
きっと今頃関係者が血眼になって探してると思います。』
どこか他人事のように語るセオリであった。
厄介ごとのにおいがするが、厄介何て今更だ。
俺は買うと決意し、堂々と手を挙げるのであった。
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