第390話 闇34


「それでは、エントリーNo.10です。」

「それでは、エントリーNo.11です。」

「それでは、エントリーNo.12です。」


ここまで4連続でゴリラの様な男がオークションにかけられていた。


しかも全員人気があって熾烈な競りになって大いに盛り上がっていた。


よくよく考えると俺の時はあまり盛り上がってないような気がする‥。


「それでは、エントリーNo.13です。」


さぁ、5連続でゴリラかな?

俺は少し期待するのであったが、逆の意味で裏切られるのであった。


ゴリラはゴリラでも女性だった。


毛深くて腕も太くて全身筋肉ダルマだ。


いや、アレはゴリラだよね?


俺が心の中でツッコミを入れると反応してくれる者があらわれる。


『ぷっ、アレはギリギリ人間だよ。

 かなりギリだけどね。』


ギリなのかよ!

本人に失礼なので心の中で笑うことにする。


女性のゴリラはかなりの競争になった。


なに?

巷はゴリラブームなのかと疑いたくなる程だった。


女性のゴリラは無事落札され次のオークションにかわる。


「それでは、エントリーNo.14です。」


スーツの男が紹介すると1匹の狼が連れてこられる。


手足が鎖で繋がれる、口には猿ぐつわの様なものがつけられていた。


今度の商品はゴリラでなかったので会場のテンションはかなり下がっていた。


何人かはトイレ休憩をとるようだ。


そんな中、俺だけはその狼に目がいった。


なぜなら俺が興味を示した狼は綺麗な銀色の毛並みをしていたのだった。

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