第389話 闇33
騒ぎ出した男が消えた為、静まりかえるオークション会場。
それでもスーツの男は自分の仕事を進める。
「それでは、エントリーNo.9です。」
壇上にはゴリラの様な男が連れてこれる。
俺はそれを見ながら横にいるスタンに話しかける。
「そろそろ買うのを控えたがいいかな?
そのせいで被害者もでたし‥。」
少し心苦しいところがあったので聞いてみるが答えは想像と違っていた。
「気にする事はない。
そもそも落ちた男は主催者とグルだぞ。」
ん?
俺の聞き間違いかな?
「今、グルって言った?」
何かの間違いかと思い再度聞いてみる。
「あぁ、グルと言った。」
スタンは何か確証があるのか自信満々だ。
「いや、そんなわけは‥。」
俺は納得出来なかったので食い下がる。
「買いまくってるお前を考慮しての事だと思うが‥。
下手にイチャモンをつけると痛い目を見るってアピールしたかったのでは?」
スタンの説明を聞いてなるほどと思わされた。
『ちなみに補足ですが、落ちた男はピンピンしてますので心を痛める必要はないですよ。』
セオリの説明を聞いて心苦しさがなくなるのであった。
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