第388話 闇32


「他にありませんか?

 それでは落札です!!」


黒スーツの男が宣言したので無事に落札する事が出来た。


他の客は既に興味がないのか今後の出品リストを眺めている。


壇上が片づけられ次のオークションが始まろうとする瞬間、会場のどこかから声があがる。


「その男達ばかり落札していないか?

 主催者とグルではないのか?」


俺ばかり落札するのでとうとう文句が出てしまう。


確かに不本意ではあるが落札が続いている。


騒ぐ男意外も俺に対して思うところがあったのか文句を言い出す。


この流れだと会場から出て方がいいかなと思い出すとスーツの男が動く。


「そこの彼と我々は関係ありません。

 変な疑いを持たれるのは心外です。

 そもそも落札出来ないのはお金がないからでは?

 彼より多くお金を出せば落札出来ますよ。」


ごもっともなのでぐうの音も出ない。


それでも男だけが騒ぎ出す。


スーツの男はヤレヤレとあきらめた表情になると何かの合図をおくる。


すると騒ぐ男の足元が抜けソファーごと消えてしまうのであった。


「忠告したんですがね。」


スーツの男の呟きに会場は静まりかえるのであった。

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