第384話 闇28


 俺が労いのキスをしている時、セオリの目はディアーナを捕らえていた。


それはまるで挑発しているかのように‥。


「全員処分‥。」


セオリがつぶやいた言葉が気になっているようだった。


ディアーナは混乱しているようだったが騒いだりはせずに冷静になろうと頑張っていた。


そのディアーナにセオリが追い打ちをかける。


「あなたはどうするの?

 こっち側にくる?」


ストレートに問いかける。


セオリとディアーナの攻防に俺は何も言えないでいた。


まぁ、本当はセオリに何も言うなと釘を刺されていた。


「貴女、さっきの代金払えないでしょ?

 払えないからイチロー君の奴隷になる予定だよね?」


セオリは全てを見透かしていた。


ディアーナはこの時、目の前の女にどう足掻いても勝てない事を悟った。


セオリはその事も知った上でさらに続ける。


「どうする?

 こっち側にくる?」


セオリが笑いながら手を差し伸べる。


ディアーナはその手を覚悟を持って握るのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る