第380話 闇24
いきなり気分が悪くなってフラフラしていると緋莉が心配して身体を支えてくれる。
「大丈夫?」
緋莉の声から緊張感が伝わって俺の体調の急変に困惑しているのがわかった。
緋莉が背中をさすってくれる。
何だろう、小さい頃に母親に看病されていた時を思い出していた。
『気分はどう?』
セオリの声が響いてくる。
『最悪だよ。』
誤魔化したりせずに素直に伝える。
『今、イチロー君が受けているのが呪いだよ。
この異世界にも呪いは存在する。
イチロー君が大事な人達を守りたいなら、こんな事にも対処出来るようにしないとね。』
これが呪いなんど。
正直、これはシンドイです。
『まぁ、本当は呪いをかける前に殺すつもりだったけど、イザナミ達がいい勉強になるからってイチロー君に受けさせたんだ。
でも、もう我慢出来ない。
とりあえず、呪いを返すよ。』
セオリの静かなる怒りがその声を聞いて伝わってくる。
突然、バチって音が鳴る。
きっと今のが呪いを返した音だと認識した。
すると呪いをかけていた男が突然泡を吹いて倒れ込んでしまう。
会場に女性達の悲鳴が響く。
普通ならこのままオークションは中止になるかと思われたがそこはさすがの闇オークション、休憩を挟んで続行される事が決まった。
ちなみにハーフリングの子は無事に買い取る事が出来た。
ただ俺に決まった瞬間のスーツの男の満足気な顔が何となくムカついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます