第368話 闇12
ディアーナの想いを知ったのであの男を必ず競り落とそうと心に誓った。
「そちらの方に決まりました。」
アナウスが流れてNo.2が競り落とされたようだ。
その後、No.3・No.4が終わってディアーナの目的の男が登場する。
「おっと、ここで今日の目玉の1人の登場です!」
スーツの男が目玉と言った事で会場の客のテンションが上がったようだ。
その漢はゆっくりとステージに近づいていく。
年は30代ぐらいだろうか、軽装からはみ出た筋肉が目を引く。
素人目にもその筋肉が凄いのがわかる。
かなり傷があるようだが、逆に歴戦の証になってカッコ良くもめえる。
ディアーナの手が震えているのを見て、自然と手を握ってあげる。
先程からずっと力を入れて握っていたので手が熱くなっていた。
「この男は、あの有名なグレイです。
皆さんがご存じだと思いますので詳しい紹介は省きます。」
やはりかなり有名なのか名前を聞いて歓声があがる。
これは人気がありそうだから厳しいかな。
案の定、グレイの値段はどんどんと上がっていく。
「金貨5,000!」
「金貨8,000!」
「おっと、金貨10,000!」
ディアーナの為にも何とかしてあげたいけど‥。
そもそも今お金いくらあるんだっけ。
アイテムボックスを確認しようとすると頭の中に声が響いてくる。
『金貨何て無限にあります!
いくらでも作ってあげます!
だから好きに使って下さい!!』
さすがに無限はありえないと思うけど、あのセオリが言っているんだ。
俺は高騰する中、力強く手を挙げるのであった。
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