第366話 闇10


「それでは、エントリーNo.2です。」


壇上の男がオークションを進める。


オークションに集中する為に隣の男に注意をする。


「突然手をあげるのは出来ればやめて欲しいけど。何かあれば先に相談してくれ。

内容次第では協力するから。」


別に怒ってはないけど心臓に悪いので一応は注意をしておく。


「悪かった。

 確かに相談しなかったのは悪いと思う。

 今度からは事前に相談する。」


スタンは反省したのか謝ってくる。


よし、これで仲直りだ。

喧嘩はしてないが最低限のルールは守らないとね。


さぁ、オークションに集中だ!


「あのぉ‥

 少し宜しいでしょうか?」


オークションに集中しようとすると背後のディアーナに声を掛けられる。


うーん、オークションに集中したいのに‥。

いかんいかん、ここで無下には出来ない。


「どうかしました?」


心穏やかに返答する。


「実は折り入ってお願いがあります。」


ディアーナさんが思い詰めた表情で頭を下げてくる。


この表情は先程のスタンと同じような‥。


ディアーナの目には復讐の炎が見えたような気がした。

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