第365話 闇9


 スタンに気になっている事を聞いてしまう。


「アイツ、殺すの?」


「もちろん。」


即答であった。


「だが、ただ殺すのは面白くない。

 アイツに殺された子供達がうかばれない‥。

 どうせならアイツが一番嫌がるやり方で殺したい。」


スタンの狂気はアイツを殺すまでは治らないようだ。


それにしてもアイツが一番嫌がる事って何だろう。


アイツは小さい子供を殺すことが好きだから‥‥。


あっ、一つだけ思いついてしまった。


「何かあるのか?」


ヤバい、スタンに俺が気がついた事を悟られてしまった。


「あ、あるにはあるけど‥。」


あまり乗り気ではないので言葉がつまる。


「頼む!教えてくれ!!

 アイツに殺された人達の無念を晴らしたい。」


スタンに本気でお願いされてしまった。


採用されるかは分からないが一応伝えてみる。


「最近、ハーフリングの女の子達を保護したんだ。

今は冒険者になる為に修行しているんだけど‥。

アイツは小さい女の子をナイフで切るのが好きだから、逆に小さい女の子にナイフで切られたら嫌がるかなぁと思って‥。」


俺の話を聞いてスタンが目を見開いた。


「なるほど、確かにアイツなら自分がされる側になれば嫌がるだろうし、冒険者になるなら犯罪者を殺すのも必要な事だからな。一石二鳥だ!!」


スタンが最高の笑顔で怖い事を言うのであった。

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