第360話 闇4


ソファーに座ると背後に控えていた女性が真正面に立って挨拶をしてくる。


「今日はようこそおいでくださいました。

 私はお二人の担当になります、ディアーナと申します。宜しくお願いします。」


ディアーナが優雅にお辞儀をしてくる。

タイトなドレスを着ていて物凄いスタイルをしている。

胸元がかなり開いたドレスなのでお辞儀をすると全てが見えるのではないかと思えた。

思わず生唾をのんでしまった。


やばい、顔が赤くなる。

隣のスタンも同じように照れているかと思ったが、そこはやはり王子。

すました顔で挨拶している。


ディアーナは俺が照れているのを見てクスッと笑った。


ヤベェ、物凄い色気にクラクラしてきたよ。


俺が照れているとお尻に何かを刺される痛みが‥。


痛っ!

叫びそうになるがギリギリ我慢出来た。


『スケベ。』


頭の中にセオリの声が響いてきた。


『あっ、すいません。』


反射的に謝ってしまう。


『デレデレしないの!

 だいたいその人男だよ。』


セオリの言葉に思わず目を見開いて驚く。


え?

この女性が男!?

マジで!?


あまりの衝撃にディアーナを足元から頭の先まで目で追ってしまう。


「どうかされましたか?」


ディアーナが俺がジロジロ見るので少し驚いているようだった。


「い、いえ‥。何もありません。」


あなた男ですか?

とは言えないので適当に誤魔化しておく。


『うそ。』


セオリに揶揄われてしまい、オークションが始まる前に神経をすり減らしてしまったのである。

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