第358話 闇2
俺とスタンはこの後に参加する事になった闇オークションまでの待ち時間に休憩する事になった。
「まさかスタンが闇オークションに参加すると言い出すとは‥。」
俺はスタンに正直な感想を述べる。
「噂で闇オークションが開催されているとは聞いていたが‥。まさか本当にやっているとは思わなかった‥。しかもかなりの大物が参加している可能性もありそうだ‥。」
スタンがかなり難しい顔をしている。
「どうする?
俺の仲間に知らせて全員捕まえるか?」
この際、悪の目を摘むのも良いかと思っていた。
「それは駄目だ。
そもそも闇オークション自体、法には触れていないので捕まえる事は出来ない。」
王子であるスタンが言うので事実なんだろうけど、釈然とは出来なかった。
「でも、人身売買をやっているだぞ!
それはさすがに法に触れるだろ?」
いくらなんでもそれは無いはずと思いスタンに問いただす。
「いや‥。
人身売買自体はキチンと許可をもらった人間が行うなら問題はない。」
俺はスタンの言葉を聞いて驚いてしまう。
「もちろん乱暴したり殺したりするのは禁止されているが、奴隷として買うのは許可されている。」
スタンの表情は暗い。
「俺も父も奴隷制度を辞めさせようと努力はしているが、反対が多くて上手くいってない。強制的に辞めさせると貴族達が王家に対して反旗をひるがえして戦争になる可能性がある。そうなると内戦になり、さらにその隙をついて他国から攻撃されたりして取り返しのつかない事になるやもしれない‥。」
戦争!?
奴隷制度を廃止しただけでそんな事になるとは‥。
改めて地球とは違う考え方に驚愕するのであった。
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