第346話 将来
「なぁ〜
何で俺らまで正座させられてるの?」
先程からハーフリングのライが悪態をついていて居心地が悪い。
俺とハーフリングの5人は突然部屋に入ってきた紫花に叩き起こされ、正座させられていた。
「はぁ?なんか文句あるのか?」
紫花が睨みつけてる。
さすがの大妖怪、5人はあまりの殺気にガタガタと震えてしまっていた。
「さっき詳しい話をしたけど、この子達は今後俺が面倒見ることになりました。」
紫花の眉がピクピクしている。
こわ。
「面倒見るってどうするんだよ!まさか嫁にするつもりなのか??」
キレた紫花に胸ぐらを掴まれてしまう。
「く、苦しい‥。
よ、嫁にはしない。
人間に虐待されていたんだ‥。
だから俺が面倒みようと‥‥。」
ヤバイ、意識が朦朧としてきた。
「そのぐらいにしておけ。」
ゾンが紫花の手首を掴み、俺を解放してくれる。
あぶな、死ぬところだったよ。
「面倒みるって、どうするつもりだ?嫁にしないなら何か仕事させないと。メイドにでもするのか?」
紫花から矢継ぎ早に質問される。
さて、どうしよう‥。
何をさせようとか何も考えてなかったよ‥。
まさかここで「何も考えてません。」とは言えないよな‥。
「旦那、俺にコイツらを預けてくれないか?」
何か言い訳を考えているとゾンからお願いされる。
「何かさせたいの?」
ゾンの真意を確認する。
「まずは自分の身を守る術を教える。その後は何かするのかは自分で決めさせる。」
「え〜。」
ゾンの話を聞いてライが嫌そうな声をあげるが、紫花が睨むと静かになる。
俺はゾンの目を見るが彼女が本気で言っているのがわかった。
「わかった。元ギルドマスターのゾンなら安心して任せられるよ。念のため、瞳に警戒はしてもらうけどね。」
俺はゾンに任せることにする。
「ありがとう。俺がコイツらを立派な冒険者に鍛えるから!」
あれ?
さっき、自分達で決めさせるって言っていたような‥。
「善は急げだ、さっそく連れて行くぞ。」
ゾンは嫌がる彼女達を連れて行ってしまう。
その後彼女達がハーフリング初のSS冒険者になるのはもっと先の話である。
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