第328話 無理だから!


 九曜の奇襲によって現場に緊張がはしることになる。


あっ、うさぎのステーキ普通に美味しい。


俺が口をモグモグと動かしているとゾンが行動を開始する。


うさぎのステーキを大きめにカットするとフォークを刺して俺の口元に運んでくる。


「ほら、俺のも食べろよ‥。」


顔を背けながらのデレを発動する。


少しばかり大きめなのが気になるがそのままにしておく訳にはいかないのでゾンから差し出されたうさぎのステーキを口に入れる。


俺が食べたのを見てゾンがドヤ顔になっていた。


そんなゾンをみて対抗心を燃やした紫花が動く。


まだモグモグしている俺の口に箸で摘んだうさぎのステーキを押し込んでくる。


いや、まだ口の中に入ってるから!

喋られないので心の中で突っ込むオレ。


食べさせたことで満足したのかゾンは自分の食事を始める。


えっ?終わり?

アーンとかないの?


九曜、ゾン、紫花と順番にこなしたので最後は八重花の番だ。


何故か蛇が全部飛び出してくる。


あっ、オレ嫌な予感してきた‥。


お皿の上にあったうさぎのステーキを蛇達が口につまみだす。


まだ口に入ってるから。

無理だから!


「イチロー様、お口を開けてください。」


そう言うと八重花の蛇達が一斉に俺の口にうさぎのステーキを押し込んできたのであった。

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