第327話 アーン
その時、どうしてそんな事を言ってしまったのか未だに謎だった。
「うさぎのステーキ美味しそうだね。」
何の問題のない、普通の感想だ。
「だったら俺のをやるよ。」
紫花がうさぎのステーキがのった皿を俺に向けてくる。
俺に取らせるスタンスだ。
「じゃー俺も。」
ゾンはテーブルの置いてある小皿にうさぎのステーキをのせるスタンスだ。
「私も。」
八重花も小皿にのせて、何故か蛇を使って渡してくる。
ゾンと同じスタンスだ。
3人の対応は八重花の蛇を使うところ以外は至って普通の対応だった。
そして真打の登場だ。
九曜はマイ箸でうさぎのステーキを摘むと、おもむろに俺の口元に近づけてきた。
「はい、アーン。」
何!
アーンだと!!
漫画などで見たことはあったが実際にやった事がなかった伝説のイチャイチャだ!
九曜の行動を見て残りの3人が驚愕の表情をしている。
ビックリして固まっているとさらに追い討ちをされる。
「ほら、早く!」
九曜に急かされてやっと正気に戻る俺。
恐る恐る口を開けると九曜がうさぎのステーキを口の中に入れてくる。
「間接キスだね。」
九曜が顔を赤くしながら照れた表情をするのであった。
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