第316話 目線
トラブルはあったが何とか街に入ると、今度は街の人たちからの目線に晒される。
敵意というよりは好奇心的な視線だ。
俺たちの中に街の人に興味を持たれた人物がいるはず。
まず、俺は平凡な冒険者装備だから問題ないはずだ。
ゾンはダークエルフでボンキュボンのスタイルで男の目を引く。
以前はかなり露出の激しい服を好んでいたが、俺が他の男の目線を嫌がったので最近は露出が減っている。
なので今日の服装も一般的な女性冒険者の格好をしている。
ただ一つ気になるのが、背中に背負っている大きな剣だ。
「さすがに街中でその剣はまずくない?」
ゾンに一応注意してみる。
「問題ないぞ。そもそも旦那を守るのが俺の仕事だからな。得物が手元にないと困るだろ?」
出会った頃は殺気が凄かったが最近は丸くなったのか穏やかな顔をしている。
まぁ、すれ違う人の中にゾンの大剣を見てギョッとしている人もいることはいるが、数はそこまで多くない。
そうなると八重花、九曜、紫花の誰かに問題があるのか‥。
うん、今更だけどこの3人が着物を着ているのが目立っているようだ。
紫花は着物を着崩していて露出が激しい。しかも大きな金棒を持って、高下駄を履いているので音が鳴って目立つ。
八重花、九曜は落ち着いた感じだが、やはり着物なので目立つ。
まぁ、八重花は着物以外に首に蛇を纏っているのでさらに目立つ。
とにかく3人が目立ち過ぎるので、洋服屋に寄ることになった。
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