第314話 コール


 ホラント国、第一王子であるコンスタンティンの元に知らせが届いたのは、朝の執務時間中であった。


穏やかな時間が過ぎている時に慌ただしく扉をノックする音が響く。


「入れ。」


コンスタンティンは穏やかな時間を邪魔されようと、それぐらいで慌てる人間ではなかった。


コンスタンティンの返事を聞いて慌ただしく扉を開けるのは、まだ新人のコールだ。


「失礼します!」


緊張のあまり少し声が裏返ってしまう。

何事にも冷静なコンスタンティンであるが、実はこういう失敗などは苦手にしていた。


「プッ。」


思わず吹き出してしまう。


コールは何が起こったのか理解出来てなかったので無理やり話を進める。


「何があったのかな?」


コンスタンティンは強引に話を進めて吹き出した事を誤魔化すことにする。


「えっ、今‥。」


空気がよめないコールは上司が失敗を誤魔化そうとしている事を流そうとしない。


コールが追及しようとしたので話を推し進める。


「何か報告があったのでは?」


少し目に力を込める。

『早く話を進めろよコール!』と想いを込める。


「今、笑いました?」


さらに空気がよめないコールは追及を諦めない。


「私が笑うわけないだろ?さぁ、急ぎの報告だろ?早く話してくれ。」


冷静を装うがコンスタンティンの顔は真っ赤であった。


「えっ?たしかに笑ったような‥。」


コイツは他の部署に飛ばそうと思うコンスタンティンであった。

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