第313話 挫かれる


 セオリの計らいでルフトの街の外に転移してもらっている。さすがにいきなり街中に転移したら驚かれるからである。


さぁ、異世界周遊のスタートだ。


門番さんに冒険者カードを見せて中に入るぞ!


ゾンはもともと冒険者だからもちろん持ってるし、八重花、九曜、紫花もセオリが用意してくれたようだ。


さぁ、まずは朝食を食べよう!


え?

俺のカードに不具合?

ん?

期限切れ?

??


「ゾン、どうなってるの?」


俺はゾンに助けを求める。


「旦那、最後に依頼を受けたのはいつ頃だ?」


「依頼?うーん、たしかレイペルと出会った時にやった薬草採取が最後だから‥半年以上経ってるかなぁ。」


俺の言葉を聞いてゾンがあちゃーって顔になる。


「旦那、最初に説明受けなかったのか?怪我とか外国に行くとか、何か理由なく半年以上依頼を受けないと冒険者カードが使えなくなるんだよ。」


しまった!

たしか冒険者になった時にもらった冊子に書いてあったような‥。


「お前、何か怪しいな‥。機嫌が切れそうになると門を通る時に注意を受けるはずだが‥。」


門番さんの目が不審者を見るような目つきに変わる。


あっ、イヤな予感がする。


「お前、ちょっとこっちこい!」


俺は門番さんに連れられて詰め所に行くのであった。

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