第294話 竜巻


見たこともない龍にドラゴン達が魅了されていた。


全員がその姿を見て美しいと思った。


「もしかしてあの気配はイチロー様でしょうか?」


プリムラがセオリに質問をする。


「正解!せっかくだしイチロー君には龍になってもらった。あっ、一時的だから心配しなくても大丈夫だよ。」


予想通りあの龍はイチロー様だった。


それにしても姿はもちろん違うが、雰囲気もかなり違っている。


何か獲物を狙うような鋭い目をしていた。


「さすがプリムラ、良くわかるね。イチロー君には少しだけ発情してもらってるよ。一週間我慢されられた感じかなぁ‥。」


セオリの話を聞いて生唾を飲み込んでしまった。


「あっ、そろそろ我慢の限界みたい。では、明日の朝迎えにくるから、皆さんごゆっくり。」


最後は不敵な笑みを浮かべセオリは姿を消してしまう。


残されたドラゴン達が呆然としていると龍は突然咆哮した。

それはまるで獲物を狩る開始宣言のようだった。


龍がさらに咆哮すると竜巻が二つ現れてドラゴン達を襲う。


突然のことだったので竜巻を躱すのがギリギリになるのであった。

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