第289話 私も‥


 ウィットと身体を重ねた状態での空中遊泳。

かなり上空にいるので寒いと感じていると、翼が2人を覆ってくれる。


ゆっくりなスピードで飛んでいて、上下左右に適度に揺れるので、まるで夢の中にいるように心地よい。


眠りそうになるとウィットからむさぼるようなキスの嵐。


気持ち良すぎて何度達したかわからない。


「イチロー様、愛してます。」

「イチロー様。」


何度も何度も気持ちを伝えてくるウィット。


その気持ちに応えたいとありったけの気持ちを込める。


何時間経ったのか分からないが、ウィットが満足したのか屋敷の庭に戻ってきた。


疲れたのか芝生の上に座り込んでしまった。


するとセオリが近づいてきて一言。


「おめでとう。無事妊娠したみたいだね。」


「ありがとうございます。私も途中気がついたのですがまだ満足してなかったので‥。」


心なしかウィットの表情が優しくなったように見えた。


「イチロー様、ありがとうございました。私の夢がかなって本当に嬉しかったです。」

ウィットが少し涙ぐみながらお礼を言ってくる。


「俺も楽しかったよ。」


素直な感想が出てしまう。


「そうですか、それは良かったです。大変申し訳ないのですが、楽しいついでにレーナともしてもらっていいですか?」


「レーナ?誰?」


「今回手伝ってくれた友人です。かなり無理をいって支援してもらいましたので、彼女にもお願いします。」


「えっ、お願いって言われても‥。そもそも結婚してないし‥。」


俺が困惑していると背後から声が聞こえてくる。

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