第290話 許可します


レーナと呼ばれている天使が近づいて来る。


「初めまして、レーナです。今回は無理言って申し訳ございません。手伝ってくれたら‥その‥私にも子種を頂けると‥。」


レーナがモジモジのして照れているようだ。


『さっさと終わらせて下さい。次が控えてますから!』


突然セオリが割り込んでくる。


『次って何だよ。そもそも本当にしていいの?』


『もちろんですよ。相手が望んでるんだから応えてあげて下さい。』


『緋莉達が後で怒らないかなぁ‥。』


『大丈夫です、私が許可します。』


俺とセオリが念話を続けているとレーナが不安げな表情でこちらを見てくる。


「イチロー様がお嫌でしたら無理にとは‥。」


レーナが泣きそうな顔だ。


さすがに可哀想に思えてきた。

覚悟を決めるしかないようだ。


「全然嫌ではないですよ。むしろ私が相手で良いのかと思ってしまいます‥。」


レーナにそっと近づき軽く抱きしめる。


「よ、宜しくお願いします。」


覚悟を決めたのか、レーナが目を閉じて顔を上げてくる。


初々しくて思わずドキドキしてしまった。


ここは俺がリードしてあげないと。


俺はそっと唇をかさねる。


その後、ウィットと同じように空で身体を重ねるのであった。

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