第287話 やる気次第
プリムラとウィットの残念そうな顔を見るとやるせ無い気持ちになる。
「このままだと可哀想だな。」
思わずセオリに愚痴ってしまう。
「だったら男気をみせて、孕ませてあげたらどうですか?」
セオリが真剣にそんな事を言ってくる。
「いや、努力してもそもそも無理なんだろ?」
「普通は無理ですが、イチロー君が望めば不可能を可能に出来るかもですよ。」
『まぁ、実際創造神なのですから望めば全て叶いますがね。』 セオリ心の声
「そうなのか?」
「そうですよ。だから彼女達に応えてあげて下さい。」
セオリがまるで母親の様な眼差しで笑いかけてくれる。
諦めなければ何でも出来る気になってしまった。
俺はプリムラとウィットの前に立つ。
「二人とも協力してくれて、ありがとう。結果は残念だったけど、二人の気持ちに応えたいと思う。」
俺が興奮気味に気持ちを伝えるとプリムラが一歩後ろに下がった。
「先手は譲ってあげます。」
プリムラもセオリと同じ様な優しい表情で語りかける。
「ありがとうございます。」
ウィットは感極まったのか涙を流しながらプリムラに頭を下げる。
「それでは、宜しくお願いします。」
ウィットが俺に向けた顔は、出会った頃の無表情とは別人の笑顔の可愛い女の子であった。
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