第277話 強制


「ねぇ、どうしてまた集まるの?めんどくさい‥。」

やる気のない第五の矢の天使長。


「召集があれば、集まるのが規則だろ!そもそも何でいつもやる気がないんだ!!」

やる気のない天使長を叱る規則命の第七の矢の天使長。


「まぁまぁ、そんなに怒らなくても‥。もっと仲良くしましょう。」

優しいだけの第六の矢の天使長。


「そうですよ。休憩中に召集がかかったので皆さんも少なからず良くは思ってないですよね?」

次に優しい第四の矢の天使長。


『それは申し訳ない事をしました。』


突然に聞こえてきた普段の声と違う冷たい大天使の声に天使長達が目を見開いて驚く。


まさか悪態を聞かれるとは思ってもいなかったので第五の矢の天使長の顔を青くさせていた。


皆んな慌てて椅子から降りて膝をつく。


大天使に謝らせたのは大問題だ。


「た、大変申し訳ございません。」

第五の矢の天使長がすぐに謝罪し、頭を床に擦り付ける。


本来であれば助け舟を出す天使長も、恐怖で何も出来ないでいた。


 噂では大天使を怒らせて一度天使長が全員入れ替わった事があったなどと聞いた事があった。その時は冗談だと思っていたが、先ほどの冷たい声色を聞くとあながち間違っていないのではと思ってしまった。


『ルーナ達が苦戦しているようです‥。本来であれば全軍向かわせたいのですが、向こうではドラゴンが複数暴れているようなので天使長以外は足手纏いになりかねません。』


全軍?ドラゴンが複数いるだと?

天使長達に緊張がはしる。

天使が全軍向かうなど前代未聞だ。

状況についていけずにいると大天使がさらに言葉を続ける。


『天使長は全員向かいなさい!コレは命令です。めんどくさいなどとは言わないで下さいね。』

最後は優しい声だったが、逆に怖く感じた。


こうして天使長全員が戦いに参加することになった。

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