第254話 アサシン


「ラーひどい!」

ヤーはそう叫ぶと、俺とラーに飛びついてくる。


ヤバい、俺とラーが仲良くしているのを見て、怒ったのかな‥。


このまま二人を仲違いさせるのは良くないと思い、何か言い訳を考えているとヤー俺の顔を舐め始めた。


ん?怒ったのじゃないの?

思わずヤーに聞いてしまう。

「俺とラーの事で怒ったのじゃないの?」


「どうして怒る?お前、ラーとも番になった。これで俺とお前とラーは番。俺、嬉しい!!」


ヤーは俺とラーの顔を舐め始める。


ラーはヤーに受け入れられて嬉しいのか少し泣いていた。


うん、やっぱりこうじゃないと。

誰かの幸福の為に、誰かが不幸になるのは良くない事だよ。


俺が感傷に浸っていると背後から声が聞こえてくる。


「感動のところ、申し訳ございません。」


嘘、まったく気配を感じなかったよ!


振り向くとそこには全身黒い衣装を着た人が立っていた。


声からして女性と思われる。

黒いレオタードのような物を着ていてタイトな衣装な為、身体のラインがわかってしまう‥‥スレンダー系です。


「今、失礼な事を考えませんでしたか?」

女性から殺気が‥。


「全く考えてません!」

とりあえず否定しておく。


「ちなみにどなたですか?」

女性に尋ねてみる。


「アサシンです!」


女性は真顔で答えるのであった。

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