第253話 修羅場
村の為に自ら死のうとする女性。
一切の躊躇いもなかった。
不謹慎だと思うが、心が強くまるで母親のように感じてしまった。
正直惹かれている‥。
目の前で泣き止まない女性に胸が締め付けられる。
『この子、目を離したらダメですよ。ずっと自殺する事しか考えてません。イチロー君がいくら説得しても無駄ですよ。ここまで頑固な子を見た事がない。』
セオリがどこか関心していた。
しょうがない、ここまできたら力技で行くしかない。
俺はラーさんの近くに行き、おもむろに抱きしめる。
ラーさんは突然のことに驚いて固まる事しか出来なかった。
「あの‥。」
困惑しているラーさんを無視して、俺は首筋に噛み付いた。
傷については後で治せるので、血が出るぐらい力を込めた。
最初は抵抗していたが、徐々に力が抜けてきていた。
俺の言葉がラーさんに届かないのであれば、気持ちを込めて噛むしかない。
俺は思いっきり想いをのせて噛み付いた。
ラーさん、俺の気持ちに応えて!
するとラーさんが俺の首筋に噛みついてくれた。
ヤーより噛む力は強くないが、何故か気持ちが伝わってくるような気がした。
気持ちが昂まってしまったので、思わずラーさんの顔を舐めてしまう。
何故か舐めたい!って思ってしまった。
するとラーさんも俺の顔を舐めだす。
お互い夢中にって舐め合った。
あまりに夢中になっていたので人が近くに来ていることに気がついていなかった‥。
バチャ。
水が溢れる音で正気に戻った俺が、音の鳴った方を見ると、目を見開いて驚くヤーがたっていた。
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