第247話 愛情表現
女の子が俺の顔を舐め始めて数分、突然舐めるのを止めてこちらの顔をじっと眺めている。
瞬きをせずにずっと俺の目を見てくる。
何だろう?
何か訴えかけているような‥。
すると女の子は横を向いて目を閉じる。
ん?
何かを待っている??
動こうとしないのでやはり何かを待っているようだ。
もしかして頬を舐めろってこと??
俺は恐る恐る女の子の頬をひと舐めする‥。
女の子の顔がみるみる赤くなってくる。
照れてる?
今度は女の子が俺の顔を舐めてくる。
何か微笑ましい感じがする‥。
「お前、俺の番になった。」
女の子が突然口を開いたかと思うとトンデモ発言してくる。
「喋れたの?」
急だったので聞きたい事を聞くことが出来たかなった。
「喋れるの当たり前。侮辱するなら怒るぞ!」
少し頭にきたのか目がつりあがる。
「ゴメン。襲ってくる時、喋らないから‥。」
「オスが簡単な謝るな。俺たち番になった。だから問題ない。」
少しドヤ顔で応える。
「番って、いつなったの?」
「いま。」
即答。
「もしかして、俺が舐めたから?」
「それは‥、好きってこと‥。」
「ま、まさか‥、噛み返したのが?」
「そう!最初に俺が噛んだのが『番になってくれ!』ってこと。お前が噛んだのが『わかった!』って意味。」
「いや、俺はそんな事とは知らなかったから‥。」
「これは里の掟。やぶることは俺の家族皆んな死ぬ。」
女の子が悲しそうな顔をする。
涙が滲み出ている‥。
おも!
これは断れない雰囲気‥。
うーん、噛まれたから噛み返したのに‥。
俺は不用意に噛んだ事を後悔するのであった。
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