第246話 噛みつき


保護した女の子が目を覚ました。

状況を把握出来ないのか目だけを動かして辺りを観察している。


そしてベッドから飛び上がると俺に襲いかかってきた。


猫のように爪を立てて振り下ろしてくる。思わず両手を掴んでしまう。


俺の手を振り解こうと力を入れるが病み上がりのせいで全力が出せないようだ。


尚も力を入れてくるのでこちらも対抗する。すると俺が押し倒される形になった。


女の子は手を振り解こうとあばれる。

仕方がないので両足で腰辺りを挟み込んで締め上げる。


少し強めにすると女の子の動きが鈍くなる。


こう着状態が続くかと思われたが、女の子が俺の首筋に噛み付いてきた。


歯が食い込む感触が気持ち悪い‥。


ダラダラと血が流れているのがわかる。


さすがにこのままやられるわけにはいかないので力を振り絞って女の子の首筋に噛み付く。


殺すわけにはいかないので本気は出していない。


女の子は噛み付かれるとは思わなかったのか目を見開いて驚いている。


その後、殺気が急速にしぼんでいくのがわかった。


女の子が噛むのをやめたので俺も口を離す。


急に大人しくなったかと思ったら、突然俺の顔を舐め始めるのであった。

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