第248話 頼み


嫁になった事はとりあえず放置しておこう‥、それより気になる事があった。


「そういえば、どうして怪我してたの?モンスターに襲われたの?」


俺が質問すると何かを思い出したのか急に青い顔になる。


「そうだ!家族を助けてくれ!村が襲われているんだ!」

女の子が俺の体を揺さぶりながら頼んでくる。


「わかった。」


「お願いだ。助けてくれ!」


「だから、わかったよ。」


「助けてくれるなら、俺の命をお前にやる!」


「あー、落ち着け!!」

俺は顔面蒼白な女の子の顔を掴んで、目をじっと見る。


荒かった呼吸も少しずつ穏やかになる。


「すぐに助けに行こう!案内出来るか?」


「た、助けてくれるのか?」

女の子は懇願するような顔をしている。


「お前、俺の番だろ?番の家族は俺の家族同然だ。すぐに行こう!」

俺は女の子を元気づける為に自分から番の話題をふる。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう‥。」


女の子が泣きながら何度もお礼言っていた。


それからすぐに村の話を聞くのだが‥。


「だから、緑山の麓に村がある。何度も言わせるな!」


緑山ってどこだよ!


イリス達に聞いたが分からないとの事だった。


うーん、こうなったら仕方がない。


『セオリ、聞いてるんだろ?』


『もちろん!』


もちろんなのかよ!

まぁ、この際仕方がない。


『村の場所わかる?』


『もちのろんです!』


『じゃー転移させてくれる?』


『いいですけど、貸しですよ?』


うっ、あまり貸しを作りたくないのに‥。


『わかった。時間が惜しいからすぐ飛ぶよ。俺と女の子と武闘派メンバーを連れていくから宜しく。』


俺達は女の子と一緒に村に転移するのであった。

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