第242話 スタンピード1


屋敷から開発現場に戻ると、大量のモンスターと戦う嫁達がいた。


殆どの嫁達はワンパンで倒しているが、梓月などの非戦闘員は強い妖怪の陰に隠れている。


「セオリ、とにかく非戦闘員を屋敷に転移させて。あと、いないとは思うけど怪我している娘もいたら転移させといて。」


「オッケー!」

セオリが軽い口調で答えて。


あの様子だとそこまで危機的な状況ではないってことだよな‥。


それにしてもモンスター多いな。

ここ数日は砂漠に棲むモンスターばかり相手にしてきたので森からくるモンスターに少し興味がわいた。


とにかく多いのがゴブリン。

殆どが木の棒と木の盾をもっているが、中にはちゃんとした鎧と剣をもっている者もいるようだ。

あとは弓と魔術師っぽい奴だ。


ん?やたらと動きの速い奴がいるが‥。

あっ、狼の上にゴブリンが乗ってるのか!

これはなかなか厄介かも‥‥って思ってたら咲夜の蛇が丸呑みにしてた‥。


咲夜さん、コワ!


倒しても倒しても、どんどん湧いてくるなぁ‥。


「ゾン、これって異世界で有名なスタンピードってやつ?」

大剣を振り回しているゾンに聞いてみる。


「異世界で有名ってのがよく判らんが、スタンピードって合ってるよ!」

ゴブリンを叩き潰しながら応えるゾン。


俺も刀で戦っているが数が多いので段々と疲れてきていた。


俺が汗を拭こうとした瞬間、ゴブリンナイトに斬りつけられてしまった。


すぐに防御したが刀を弾かれてしまう。

良い一撃を喰らう寸前、ゴブリンナイトが地面に押し潰されて肉塊にかわった。


「イチ、油断し過ぎ。」

緋莉が助けてくれたようだ。


何か今まで強敵と戦うことが多かったので、弱い敵に数でこられると面倒だと思い知らされた。

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