第239話 和風?洋風?


「で、旦那。国境に作る壁は和風かい?それとも洋風かい?」

ぬーちゃんが尋ねてくる。


「やっぱり異世界だし洋『和風です!』」

明日香が俺の言葉に被せてきた。


「いやいや、異世界だよ?そもそも洋風の城を建てる予定じゃなかった?」


「それも見直すの!やっぱり全て和風にしよ!」

明日香が懇願してくる。


他にも妖怪達が和風が良いと言い出した。


「俺はどっちでもいいんだけど早く決めてくれ!」

ぬーちゃんが痺れをきらした。


妖怪以外の異世界組は特に主張はないようだ。

いいの?このままだと和風の壁が出来上がるよ?


うーん、ここで和風が通ると城も姫路城や熊本城みたいなのが出来そうだよな‥。

正直、和風も好きだけど洋風の城に憧れがあるんだよなぁ‥。


『そう思うんだったら、素直に言ったら?』

セオリが念話を送ってくる。


『俺は出来れば皆んなが納得する方がいいんだけど‥。』


『仕方ないですね‥。』


「あー皆さん!和風もいいと思いますが、他の国も洋風が多いので他国との国境は現地の方に寄せた方がいいと思いますよ。」

セオリが少し威圧を込めて皆んなに説明する。


セオリの説明に問題もないし、威圧も怖いので反論する者は現れなかった。


『これは貸しですよ。』

セオリが笑顔でウインクしてくる。


何だかんだで俺の事を助けてくれるセオリの事が世界で一番好きだと認識した。



『ちょっ、勝手に心の声をねつ造しないで。まぁ、頼りになるとは思うけど‥。』


『デレました?』

セオリが揶揄ってくる。


こう言うところがなければと思うのであった。

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