第231話 話し合い


イチローと梓月が先に消え、その後神様達が消えた。


もちそん正座に重石を乗せられた状態だ。


皆んな黙っていた。

神様達に指摘され、思うところがあったようだ。

長い沈黙が続く中、九曜が口を開く。


「本当に情けない。大妖怪と呼ばれて数百年‥。こんな無様な格好をさせられるとは‥。」


「こんな屈辱を受けるとは‥。」

プリムラがボロボロ涙を流している。


皆んなが悲観的なことを言う中、明日香が発言を始める。


「悔やんでも仕方がないでしょ。そろそろ前向きな話し合いをしましょう。」


紫花が何かを言いかけたが、悔しい表情を浮かべて何も言わなかった。


その後、元冒険者ギルドマスターであるゾンが纏め役になり情報を整理する。


「打撃も神竜のブレスも効果がないとは‥。」

ゾンが攻撃内容を確認し、改めて驚いている。


「一つ確認したいのだが、一度に皆んなで攻撃したりしてないのか?」

ゾンが疑問をぶつけてみる。


「はぁ?何を言うかと思ったら、くだらない。戦いとはタイマンだろ?」

紫花が怒り気味に答える。

他の大妖怪達も頷きながら同意する。


「もう一ついいか?口を開かせてから攻撃したか?」


「そんな卑怯な事するかよ!」

紫花が完全にキレる。


他の妖怪達も同意してるようで騒ぎ出す。

すると緋莉が口を開く。


「卑怯とか言ってる暇あるの?」


場がしーーーんとなる。


明日香も追随する。


「あんた達、バカなの?明日倒せなかったらどうなるかわかってるの?」


誰も反論しない。


「私は卑怯だろうが、どんな手を使ってでも倒すわ。イチローと幸せになりたいの。こんな事で躓く暇わない。」


明日香の言葉に皆んなショックを受けていた。


「俺が悪かった。自分の事しか考えてなかった‥。」

紫花が謝罪すると他の大妖怪も謝罪した。


「私達はイチローを護衛するから、亀は任せて大丈夫?」

明日香が紫花に質問する。


「まかせろ!皆んなと協力して亀を倒してやるから!」

紫花が笑顔で答えた。


もともと一匹で行動していた大妖怪達だったが今回の事をきっかけに仲間意識が強くなるのであった。

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