第186話 王妃選び36
『お兄ちゃん、とりあえず試合を始めようか。』
「パードン」
『お兄ちゃん』
うわぁー、お兄ちゃんって呼ばれると何かゾクゾクするかも。
一人っ子だったから兄弟とか、羨ましかった。
『ねぇ、お兄ちゃん。ボクも名前欲しいなぁ‥。可愛い名前をつけて。』
上位神様が俺に抱きついて、甘えた声でお願いしてくる。
よし!良い名前をつけてあげよう!
やっぱり神様だしセオリと同じような感じでつけてみようかな。
たしか、伊吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)と呼ばれる神様がいたはず。
あとは異世界風にアレンジして‥。
「イブキはどうかな?」
『イブキ?イブキ、イブキ‥。うん、イブキってボクっぽくて良いね!!ありがとう、お兄ちゃん。』
イブキが嬉しそうに俺にお礼を言ってくる。そして抱きついた姿勢からキスをしてくる。
!?どう言う事!!
兄妹でキスって!!
思わずイブキを引き剥がそうとするが身体に力が入らない。
その後、イブキに口の中を蹂躙される‥。
『お兄ちゃん、ご馳走様でした。』
イブキが満足したのか、数分して解放してくれた。
「どう言う事?兄妹でキスって!!」
『お兄ちゃんも知ってるくせに。神話に出てくる神様って、兄妹で結婚とか多いんだよ。』
うっ、確かに兄妹で結婚してる‥。
しまった!
妹だからって油断してた‥。
『取り消せないからね、お兄ちゃん。あとボクのファーストキスをあげたから‥。絶対に逃がさないよ。』
イブキが笑顔でプレッシャーをかけてくる。
「う、うん。宜しくね。」
俺は力なく返事するのであった。
『さぁー、パッパと試合終わらせて初夜を迎えるよ。セオリが戻ってくると面倒だし。』
イブキが指を鳴らすと屋敷にいた全員が大草原に転移していた。
えっ、ここ何処?
見渡す限り草原が続いている。
雲も太陽もなく、木や山もない。
何かゲームの中に来たような感覚だ。
『さすがお兄ちゃん。此処はボクが作った空間だよ。選手以外には結界も張ってるから、好きなだけ本気出して良いよ。もちろん消滅しようとも復活出来るから、遠慮はいらないよ。』
イブキの言葉に大妖怪達の口角を上げる。
『さぁー、第一試合始めるよ!お腹の子も絶対に死なないから存分に戦って!では、始め!!』
イブキの合図で唐突に第一試合が開始される。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます