第183話 王妃選び33


退屈だ。

毎日同じことをやっている。


「地獄」

「地獄」

「天国」

「地獄」


最近は地獄に落ちる人間が増えている。

まぁ、私には興味がないけど。


はぁ〜退屈だ。

そもそも地獄か天国かの判断は既に出ていて、私は結果を伝えるのが仕事。

たまに不服とかいって暴れる奴もいるけど、部下の鬼達で対応は可能。


何か楽しいことないかなぁ‥。


よくよく考えたら永久にこの仕事をするのって、これこそ地獄じゃない?

地獄を管理してるつもりで、実は私が地獄に落ちているような‥。


うん、考えるのをやめよう。


ぬらりひょんが面白いものを見せてくれた。

とある人間が異世界で楽しそうに暮らしているらしくて、タブレット端末でその様子を観察している。


雪女、河童が楽しそうに笑っている。


雪女、河童が気持ちよさそうにしている。


楽しそうだな。


私も呼び出してくれないかなぁ。


え?ぬらりひょん、人間騙して勝手に出たの?


ずるい!ずるい!ずるい!ずるい!ずるい!ずるい!ずるい!ずるい!ずるい!


でも羨ましい‥。


私がタブレットを見ていると部下から声をかけられる。


「大王様、そろそろ仕事をしてくれませんか?」

鬼のくせに泣きながら懇願してくる。


「休暇とる。」


「え?」

鬼がビックリしてる。


「有給貯まってる。とりあえず1万年休む。」


「大王様!?冗談ですよね?」


「本気。」


鬼達に力ずくで止められそうになったが全員返り討ちにした。


「待ってて人間。本気になった私は誰にも止められないよ!」


私は異世界に飛び込むのであった。

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