第171話 王妃選び21

【異世界 3-27 王妃選び21】


アームレスリングの決勝はシーラ対ニーナの対戦だ。


お互い獣化した状態でグリップバーを握り、肘をつき、手を組んで構える。

2人ともギリギリと歯を噛みしめる音が聞こえる。


「レディー」

俺の声でお互いの手に力がかかる。


「ゴー」

俺の掛け声で決勝がスタートする。


お互い全力を出しているので身体を倒して力を込めている。


シーラが雄叫びをあげてニーナを追い詰めていく。


ニーナも負けずと尻尾の魔力を使い応戦する。


お互いの力が拮抗していたが、ニーナの尻尾がみるみる小さくなっていく。


あれ?コレってまずくない?


シーラも苦しいようで口から血が出ている。


ニーナ尻尾が限界まで短くなっていた。


2人とも最後の力を振り絞り力を込める。


すると2人の力に耐え切れずに大きな音とともに机が粉々に砕けてしまった。

急に机が壊れたことで2人とも倒れ込んでしまった。

すぐに2人に駆け寄ったが、怪我はしてないようだ。


2人とも力を出し尽くしたのが獣化が解けていた。


「勝敗は?」

シーラ、ニーナが疲れ切った顔で訪ねてくる。


どうしよう‥。

2人がここまで頑張ってくれてるし‥。


俺が悩んでいると背後から声が聞こえてきた。


「ここまで頑張ったのじゃ、引き分けでいいじゃろ?」


一瞬セオリかと思ったが声が違った。


恐る恐る振り返るとそこには豪華なドレスを着た女性が立っていた。

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