第162話 王妃選び12


 人間代表戦の第一試合は「ステア」が優勝し、王妃の1人目に決まった。

残る人間代表は1人だけ。

混乱必死の第二試合が始まろうとしていた。


セオリが試合内容を決めるサイコロを宙に投げる。


「何が出るかな?何が出るかな?」

例によってセオリが何処かしらから怒られそうな掛け声をかける。


20面のサイコロが何度か跳ねてから止まった。


さて、何が出るかな‥。

セオリがサイコロを確認する。


「『イチロー君と組んず解れつする』が出ました!ハイ、略して『S○X』」

セオリが満面の笑みで読み上げる。


ハイ、アウト!

馬鹿だよね!ちなみに誰の得意分野なの?


「いや、どうやって優越をつけるの?」

思わず疑問を口にしてしまった。


「イチロー君の言う通りだね‥。気持ちよくさせた方か‥、それとも出させた回数か‥。どっちが面白いかなぁ。」


この神、今面白いって言ったよ。

確信犯だ!!


「テクニックか、パワーか‥。」

セオリが本気で悩んでいた。


「テクニックがいいです!」

自信があるのかアルツが手をあげる。


「パワー!」

脳筋のメイベルが手をあげる。


自信あり気に手を上げてるけど、経験ないだろ?って心の中でツッコミを入れてしまう。


他の子たちは顔を赤くしてモジモジしている。いやー、恥ずかしがってるのが可愛い!


「私は回数がいいです!」

何故かステアが手をあげる。

いや、あんた優勝したから参加出来ないでしょ!


「この勝負は難しいよ。回数なら後半の子は不利だし、テクニックは優越をつけるの難しいよね?」

決まりそうにないので意見を述べてみる。


「イチロー君の精力は毎回、回復してあげるから皆平等だよ。あとテクニックは数値化が難しいし、今回は回数にしよう!」


セオリが回数に決めると、アルツが悔しがりメイベルが喜んでいる。


だから、メイベルは経験ないだろ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る