第151話 王妃選び1


イチローが王妃を1人選ぶとしたら、迷わず雪花を選ぶ事が何人かはわかっていた。

なのでそれをさせない為に策士が動き出す。


「本来であればイチローに選ばせるのが正解だと思うけど、イチローは優しいから1人を選ぶ事は出来ないと思うのよ。だから私たちの中で代表を選びましょうよ!」

明日香の先制攻撃。


「たしかにイチロー様が選ぶと、いろいろと角が立つのでその方が宜しいかと‥。」

イリスが援助攻撃。


「でしたら第5王妃ぐらいまで決めませんか?」

カタリーナが全員の動揺を誘う。


ここでみんなの思惑が交差する。

是が非でも一番を狙うのか?それとも敢えて2、3番を狙うのか?


「5では少ないかと。王であれば10人は必要では?」

メイベルがシャールを選んで欲しくて枠を増やそうと提案する。


「でも、選ばれなかった人が可哀想では?」

アルツが正論を主張する。


「国として対外的にも5人は必要です!」

カタリーナの主張も正論だ。


たしかに選ばれなかった子のことを考えると気の毒だよね。でも国としては5人は必要だと思うし‥、さてどうしよう。


「皆さんお悩みですか?だったら私にいい考えがあります!」

セオリが眼鏡を秘書っぽく持ち上げて話に割り込んでくる。


もちろんセオリに反論するものはあらわれず、任せる事にする。


「こんな事もあろうかと、こんな物を作って来ました。ジャーン!」


セオリが出したのは30センチぐらいのサイコロだったが、ポピュラーな6面ではなく20面のものだった。


「では、イチロー君投げてください。」

セオリから強引にサイコロを渡させる。


何か皆んなの目が血走ってて怖いが、とにかくサイコロを回してみる。


「何が出るかな?何が出るかな?」

セオリが例のリズムでBGMを演出する。


サイコロが床の上を転がっていく、やがてその回転を止めた。

さて、出た目は何かな‥。


セオリが笑顔で出た目を見せてくる。


「7でした!皆んな頑張ってね!」


セオリを除いた27人の戦いが始まるのであった。

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