第147話 地竜退治3


「イチロー君、そろそろ止めようか。さすがにやり過ぎだと思うよ。」


地竜との戦いに夢中になり過ぎていたのか、セオリからストップがかかった。

辺りを見回すと地竜の死体が10匹以上転がっていた。

ちょっとやり過ぎたかも‥。


「ごめん、夢中になっちゃった。」

セオリ達に謝っておく。


『そんな事ないよ』的なフォローは入ってこなかった。


気を取り直し話題をかえる。


「とりあえずノルマはクリアしたかな。後は王都に首を持っていくだけだね。」


「はい、王都の近くまでは神竜に運んでもらって下さい。その後は首を引きずって歩いて下さい。」

セオリから指示が飛ぶ。


「やっぱりやるんだ。冒険者ギルドの中で収納から出したら駄目なの?」


「駄目です。俺が倒したアピールを一般人にもしないと。」


何か嫌な予感がするんだけどなぁ‥。




俺は王都の門の前にきている。

セオリの指示通り、地竜の首を鎖に繋いで引きずっている。

予定外だったのが5、6匹の予定が20匹になっていた。

俺は5、6匹でいいのでは?と主張したが「その方が目立ちます!」とセオリがガンと譲らなかった。

一応神になったことで身体は強化されているので引きずるのは問題なかったのだが、いきなり門番に止められてしまった。


「おい!ちょっ待て!!まさかそのまま中に入るつもりか!!」


デスヨネー。

俺も無理があると思ってたよ。


「セオリ、やっぱり一度収納して入ろう!」


「大丈夫ですよ。ちょっと待って下さいね。」


するとセオリが門番の所に行って話し出す。


「どうぞ、お通り下さい。」


急に門番が許可を出してくる。

まぁ、指示には従うけど‥。

それより門番の目が虚なのが気になる。

何度話しかけても「どうぞ、お通り下さい。」しか言わない。


「さぁ、行きましょう!」

セオリが何事もなかったように前を歩き出す。

やべーよ、絶対洗脳してるよ!

改めてセオリに恐怖するのであった。

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