第148話 地竜退治4


門を通って王都の中に入ると、目の前には巨大な城壁に囲まれた大きな都市が現れる。さすがに王都なだけあって人も多い。


とにかく王城を目指そうと前に進み出すと周りから悲鳴が上がり出す。

そりゃそうだ!

20匹の地竜の首を引きずる男が急に現れたので、辺りがパニックになった。


あっ、子供が転んだ。

女性が気絶した‥。

皆んなが逃げるように周りから離れて行ってしまい、さっきまでいた沢山の人がいなくなってしまった。


何の罰ゲームだよ、これ。

心が折れそうになりながら王城を目指す。


ん?王城から騎士団が飛び出してきた。

何か殺気立っているような‥。

絶対歓迎ムードじょないよね?


「止まれ!」

騎士団の一番偉い人が叫んできた。


「どうかしましたか?」


「どうかしましたか?ではない!!竜の首を引きずってどこに向かうつもりか?」


「王城ですが‥。」


「王城だぁ?何故王城に運ぶ必要があるのだ?普通は冒険者ギルドに持ち込むはずだが?」


たしかに騎士の言う通りだと俺も思う。


するとセオリがまた俺と騎士の間に割り込んで、騎士と話を続ける。


数分後‥。


「イチロー様、お通り下さい!」


でたー!何故が騎士団全員の目が虚だ!!

洗脳きたー!


その後は誰にも邪魔されずに王城に入ることが出来たのだが、王様から目立ち過ぎたこと割りかし本気で怒られた。


それから数日後、大陸中に地竜退治の褒美にザユド(エルフの国)の南にある砂漠に新しく国を作ることが宣言されたのだが、関係者の思惑と違ったのが英雄に国が与えられたというイメージではなく、厄介者を追い出す為に建国を許したのだと国民に思われていたことである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る