第134話 シャール1
セオリの狙いが分からないが奴隷全員が嫁になってしまった。
緋莉としてはイチローの反応が怖っかたがセオリには逆らえないので不満をのみ込むことにした。
「これでイチロー君の身辺整理を終わりにしたかったけど、あと1人だけお嫁さんに候補がいるんだよね‥。この際だから呼び出してみるか‥。」
セオリは1人でブツブツ何か考えているようだ。
「うん、決めた。雲外鏡、シャールって子の部屋に繋いで。」
「畏まりました。」
お辞儀をした後に鏡月がシャールの部屋に繋げると何も言わずにセオリが入って行った。
「う〜ん、誰もいないみたいね。しょうがない自分で探すか‥。」
セオリがシャールの部屋から出ようとすると運良くメイドが入ってきた。
「丁度よかった!王様とシャールに合わせて!」
いきなりの侵入者に声をかけられたメイドがメイドが悲鳴をあげそうになるが声が出なかった。
「あっ、そういうのいいから。使徒様の関係者だと伝えて。出来るだけ早くしてね。あとこの部屋を出たら声は出せるようになるから安心して。」
声が出せないメイドは何度も頷いて部屋から飛び出して行った。
その後、王宮内は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
セオリが案内された部屋には王、王妃、第一王子、第一王女、シャールが控えていた。
「ごめんね、忙しいのに時間を作ってくれて!」
セオリが軽い口調で話し始める。
「「無礼で‥。」」
王子と王女がセオリの態度にキレそうになるがセオリと目を合わせた瞬間、全身から脂汗を流し動けなくなった。
王と王妃は本能的に目の前の人間に逆らってはダメだと感じていた。
「う〜ん、正直に話すけどイチロー君、今度神様になったから。」
全員がセオリの言葉に固まった。
使徒から神になるなどあり得るのかと全員が疑ってしまった。
「ふ〜ん、私の言葉が信じられないんだ。」
セオリが挑戦的な視線をおくる。
「じゃー信じれるようにしてあげる。」
するとセオリ以外の人間が真っ暗闇の空間に転移させられる。
光のない世界、音も何も聞こえない。
高いところから落ちている感覚がずっと続いていく。
全員が混乱していると頭にセオリの声が聞こえてくる。
最初は声が小さいので聞き取れなかったが、だんだんと音が大きくなっていき、聞き取れるようになると話している内容が誰にも各々が秘密にしている事の暴露だった。
それは小さい頃の失敗などから始まり、絶対に知られたくない秘密になっていった。
生き地獄のような時間は急に終わりを告げ、気がついたら元の部屋に戻っていた。
「どうかな?信じてくれた?」
「「「「「はい。」」」」」
全員がその場に土下座した。
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