第132話 臨時家族会議3


「奴隷は解除したから何処か好きな所に行っていいよ。」

セオリが楽しそうに話しかける。


「天使の子はどうする?天使長に話つけて戻してもあげられるよ。あっ、なんなら天使長になる?あなたの事を散々虐めてた彼女の上司になれるのよ、悪い話じゃないでしょ?」


「たしかに戻って出世出来るのは魅力的ですが、今はイチロー様と行動する方が楽しいです。」


「チッ。」

セオリがあからさまに嫌そうな顔をする。


「楽しいってだけでどうするの?奴隷じゃなくなったのよ。まさかお友達とか言い出す気?」


そもそも奴隷を解除したのはセオリなのにと緋莉は思ったのであった。


「わ、私はイチロー様をお慕いしております。奴隷でないのであれば妻にしてもらいたいです。」


ウィットが顔を赤くしながら答える。

セオリがウィットの顔をジーーーット見てため息をつく。


「本気のようね。じゃー今からお嫁さんに加わりなさい。」


「あ、ありがとうございます!今後とも宜しくお願いします!!」

ウィットが号泣しながらお礼を言う。


イチに許可貰わなくていいのかな?と緋莉達が思ったがセオリに突っ込みたいけど怒らせたくないので我慢した。


「ドワーフの子はどうする?家族は‥亡くなってるわね。フランカの国に保護してもらったら?」


普段あまり感情を表に出さないが、家族が亡くなっていると聞いてセラは悲しそうな表情になる。


「わ、私はイチロー様の家族になりたいです。みんなと仲良く暮らしたいです!」


「良かった!家族でいいならイチロー君の娘でもいいよね?養子でもいい?」

セオリが嬉しそうに尋ねてくる。


「‥‥‥その‥‥出来れば‥‥つ、つまに‥。」


「あー、イライラする。ハッキリしなさい!私は神よ!あなた達の本心はわかってるわよ。あえて自分から言わせてるの!」


セオリが机をバンバン叩いて怒りをあらわにする。

するとセラが大声で叫ぶ「イチロー様の子供が欲しいです!お嫁さんにして欲しいです!」


「よし、許す!」

セオリが即答する。


さすがにやり過ぎでは?と皆んなが思った。

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