第131話 臨時家族会議2
「さて、話を進めるわね。今からあなた達には今後についての選択をしてもらいます。」
「選択とは?」
唯一話せる緋莉が突っ込む。
「今後イチロー君と共に生きるのかを選択して欲しいの。」
全員が困惑の表情をうかべる。
「まず、『永遠の誓い』は廃止の方向で‥。あれは神の世界でも賛否両論があって、私は反対派なので解除しました。勝手に決めてごめんね。」
とんでもないことをあっけらかんに言う。
「次に『奴隷』も解除したわ。」
どんどん話を進めるセオリに対して、恐怖を抱いていく‥。
「まさか、婚姻まで解除する気ですか?」
緋莉が恐る恐る尋ねる。
「う〜ん、そこが悩みなんだよね。どこまでしようかな‥。いっそイチロー君が異世界に来たとこに時間を戻してもいいぐらい。」
「そんなことしたら私達は出会わない可能性が出てくる!」
緋莉は敬語を忘れるぐらい動揺しているようだ。
「私には関係ないわ。」
セオリの一言が心に突き刺さる。
「イチとの子供を奪わないで!!」
緋莉がセオリに飛びかかろうとするが、セオリと目があった瞬間動けなくなる。
「まさか私を殺そうとするとは‥。あなたは合格ね。」
「合格?」
緋莉が困惑気味に尋ねる。
「言葉の通りよ。今後ともイチロー君の妻になることを許すわ。」
上位神に許可をもらえて安堵する気持ちと他の子の事が心配な気持ちになる。
「それと神竜・妖怪全員は合格。まさか私の呪縛を解くとは‥。イチロー君、愛されてるわね。それにしても百目と雲外鏡はここに来て日が浅いのに何で頑張ったの?」
「私達はまだイチロー様にお情けを頂いておりません!一度も可愛がられなく退場なんて酷すぎます!!」
雲外鏡が涙ながらに訴える。
「上位神様には失礼ながら一言申し上げます。人の恋路に口を出さないで下さい!」
百目がセオリを睨みつける。
「はは、2人とも面白いね。気に入ったわ。」
セオリがケラケラと笑う。
「ちなみに他のお嫁さん達はどうする?手をあげてくれたら今までのことを忘れさせてあげるわよ。さらに処女に戻してあげるわ!自分だけを愛してくれないイチロー君より他の人を選んだが良くない?」
セオリが提案するが誰も手をあげない。
するとイリスが声を上げる。
「別に私だけを愛してくれなくて結構です!みんな魅力的なんですからその中に入れるだけで満足です。上位神はそんなこともわからないんですか?」
イリスがセオリを挑発する。
「他の子も同じ気持ちみたいだね。う〜ん、全然ライバルの減らないなぁ。」
セオリが悔しそうに言うが顔は笑顔だった。
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