第124話 暴挙後2


 女性の案内で村の中にある家に向かった。


すでに村中の遺体を収納しているので家の中には何もないのだが、床には血が大量に残っている。


女性が机を動かそうとしていたので手伝ってあげる。ただイチローが近づくと露骨に嫌な表情を浮かべる。


「あんた!いい加減に‥『よせ!』」

明日香が女性にキレそうになるが、それを制する。今は争っている時間が惜しい。


机をどかせると扉が現れる。


扉を開けると地下に続く階段があったので慎重に下ることにする。もしかしたら敵に遭遇する可能性があるので‥。


階段を下ると部屋に行き着く。

部屋は20畳ぐらいでロウソクの灯りなのでかなり薄暗かった。


「皆大丈夫?」

女性が声をかける。


「誰?」

若い女性の声が聞こえる。


「エステです。助けに来ました!」


エステの声を聞いて安心したのか、奥に固まっていた人達が助けを乞うように寄ってくる。


イリスにお願いして、魔法で部屋の中を明るくしてもらう。


部屋の中には大人の女性が10人、高校生ぐらいが8人、中学生ぐらいが5人、小学生ぐらいが7人、それ以下が8人、赤ちゃんが3人いた。

全員が女性である‥。


旦那さんや家族の人達は、この人たちを守ろうと命を賭けて戦ったんだ‥。

あのクソ野郎のせいで!

アイツらはこのまま死ぬだけで終わらせない。絶対に地獄で痛めつけてやる。

思わず拳に力が入る。


このまま村に残るのは環境的にも問題がありそうなので屋敷に戻る事にする。


まず鏡月に鏡を出してもらい全員を屋敷に移動させ、家族全員に手伝ってもらいお風呂に入れ、食事を取らせる。

その時、子供達が父親達のことを母親に尋ねるが母親たちは、何となくはぐらかしている。

母親たちは父親が死んだことを察しているようだ。


とりあえず中学生以上を連れて応接間に向かう。辛いと思うが今後のことを話し合わないといけないので、本当のことを伝える事にする。

それ以外の子は咲夜に頼んで強制的に眠らせてもらった。

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