第99話 訪問6
部屋を追い出されたイチローは暇だったので庭木に水をやっていた。
カタリーナ無事だといいけど…。
皆んな怒ってたからなぁ。さすがに殺したりはしないと思うけど。まぁ、イリスがいるから大丈夫だと思うけど。
イチローがカタリーナの心配をしつつ水やりをしているとウィットが客がきたことを知らせてくれた。ちなみに部屋に入ってるのは妻達とシーラである。今回奴隷は部屋に入れてもらえなかった。ジルヴァ達からは不満の声があがったが、明日香が睨むと静かになった。
屋敷の敷地内に三台の馬車と馬に乗った騎士がゴロゴロと入ってくる。物々しい雰囲気から馬車に乗っているのが偉い人なのがわかる。
すぐに降りてくるかと思ったが、騎士が整列したりカーペットを引いたりと準備に時間がかかるようだ。
あっ、よく考えたら俺丸腰じゃん。さすがに屋敷の主人として格好つかないよね。収納から妖刀を出して腰にさしておく。
イチロー「お前ら、大人しくしとけよ。」
リーン「わかりましたー。」
リース「ハーイ!」
何だろう、嫌な予感がするので釘を刺しておこう。
イチロー「何か問題起こしたら地獄の汚物沼に沈めるから。」
「「命に代えて。」」
2人とも剣の姿だが、ガクガクと震えていた。
さて準備が整ったみたいなので、姿勢を正す。馬車の扉が開いてコルベルトさんが降りてくる。
イチロー「御領主様自らお越し頂けるとは
、とても嫌な予感がしますが…。何か御用でしょうか?」
コルベルト「そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。ただ、お客様をお連れしたので会って頂けますか?」
イチロー「もうシーラとカタリーナが来てますので、お腹いっぱいですのでお断りします。」
イチローの話を聞いて、コルベルトが目を見開いて驚く。
コルベルト「もう来ているとは…、さすがに手が早い!」
イチロー「良かったら2人とも連れて帰ってくれませんか?今嫁達と話し合いをしている最中ですので…。連れて帰ってくれたら助かります。てかっ、帰って下さい。お願いします。」
コルベルト「そんなの無理に決まってますよ。2人とも各国の第一王女様ですよ。何か問題でも起こしたら、私の首が飛びますよ。」
イチロー「そもそも何でこんな事になったのですか?理由とかわかりますか?」
コルベルト「…………あなたがそれを言いますか?えっ、本当にお分かりになりませんか?」
コルベルトが驚いた顔をしている。
イチロー「はい。全然わかりません。」
コルベルト「………貴方が使徒様だからです。」
イチロー「えっ、そもそも何で使徒のことが各国にバレてるんですか?まさかコルベルト様が各国にバラしました?」
コルベルト「神に誓って、それはないです。」
イチロー「じゃー、どこから漏れたんですか?俺のスローライフを返して下さい!!」
イチローの様子を見て、各国にバラしたのがシャール様だというとこは秘密にしておこうと心に誓うコルベルトであった。
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