第97話 訪問4
シーラとニーナを一頻りモフったあと、イチローはリビングでお茶を飲んで寛いでいた。本当は庭で畑仕事を手伝いたかったが、妻たちから外出禁止令を出され、大人しく過ごしていた。
さすがに1人だと寂しいので、特に仕事のないジルヴァに付き合ってもらっていた。
ジルヴァは基本的にツンケンしているが、二人っきりとの時は甘えてくるので、今はジルヴァが膝枕されていた。
ジルヴァ「旦那様はどうして奴隷の私に優しくするのですの?」
イチロー「本当は奴隷とかにはしたくなかったけど、君達を守ることにもなるから仕方なく奴隷にしたんだ。だから俺の中では奴隷と思ったことはないよ。」
イチローがジルヴァの頭を撫でると気持ちよさそう顔をして目を細める。
ジルヴァ「ありがとう」
小さい声だったが、ジルヴァが素直な気持ちを伝えてくれた。みんなの前では悪役令嬢を演じているが、こうやって二人っきりになると素の表情が見えるので貴重な時間だ。
イチローが平和な時間を過ごしていたが、それは唐突に終わるのであった。
誰かがドアをノックする。
するとジルヴァが飛び起きる。さすがに甘えているところを見られたくないようだ。
イチロー「どうぞ。」
ステア「お寛ぎのところ申し訳ございません。敷地内に飛龍が降りてきました。ウィット様が迎撃しようとしましたが、野生の飛龍ではないことがわかり着地を許可しました。飛龍には法皇国の王女様が搭乗しておりましたので、この部屋にお連れしてもよろしいですか?」
イチロー「嫌です。お引き取りしてもらって下さい。」
イチローが手でバッテンを作って拒否をあらわにする。
ステア「差し出がましいと思いますが、外交問題になって、御領主様に迷惑をおかけする事になると思いますが…。」
イチロー「冗談です。とりあえず拒否の姿勢を見せようかと思っただけです。ステアを少し困らせようかと…」
ステアが殺気を飛ばしてきたので、素直に謝った。
イチロー「では、連れてきて。ジルヴァは部屋に戻っといて。あと、明日香達を連れてきて。」
明日香「もういるわよ!」
明日香と緋莉はすぐ後ろに立っていた。気配を消して近づかないで!心臓に悪いから!!
他にもメア、プリムラ、ウィット、八重花、咲夜の武闘派が部屋に入ってくる。
緋莉「連れてきて。」
緋莉が淡々と指示を出す。
いや、それ俺のセリフだから。
さて、シーラの二の舞にならないように気をつけようと思うイチローであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます