第96話 訪問3


 昨晩は遅くまで謝り続けたので、朝から眠い。そして皆んなが食事をしている中、俺はソファーに座っている。


明日香「あんた、それどうするの?」

物凄く冷めた目を向けてくる。


イチロー「何のこと?」

とりあえず惚けてみる。


明日香「アンタ馬鹿?膝の上の奴よ!」

明日香がプンスカと怒り出す。


 イチローの膝の上にはシーラが丸くなって眠っている。実は結構重たいのだが女性に対して重たいとか言うと怒られそうなので黙っている。まぁ、緋莉に石を載せられるよりはマシである。


イチロー「どうしたもんかね…。ニーナ、これって信頼の証とか?」


ニーナ「いえ、服従の証です。」


室内に沈黙が訪れる。


イチロー「相手に粗相とか見られるとどうなるの?」


ニーナ「逆らえなくなります。しかも王族ですよね?かなりの屈辱なので、絶対服従とかになります。」

かなり真面目な顔をしているので冗談ではなさそうだ。


 もう嫁さんも奴隷もお腹一杯だよ。これ以上増えたら収拾つかないよ。


イチロー「こうなったら最後の手段を使うしか…。咲夜、この子の記憶を消せる?」


咲夜「出来なくはないけど、他の記憶も消えるから馬鹿な子にになる可能性もあるわよ。正直、お勧めはしないかな。」


 さすがに王族を馬鹿な子にしたら外交問題に発展するよなぁ…。

もう成るように成るかな。イチローはもう深く考えないようにした。


 イチローはシーラをモフりだす。シーラは虎の獣人なので少し毛が硬いが、それはそれで気持ちがいい。シーラが顔を擦り付けてくる、気持ちがいい証拠だ。


 シーラをモフってるとニーナが羨ましそうな顔をしている。可哀想なのでシーラを半分退かせて、ニーナを手招きしてみる。ニーナは明日香の顔色を伺うが特に怒ってなさそうなのでイチローの元に向かう。イチローが自分の膝をトントンするとニーナが膝に頭をのせてくる。


その後はシーラ、ニーナをモフって現実逃避するイチローであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る