第94話 訪問1


 朝、気持ちよく眠っているとステアに起こさせる。ギルドカードを見るとまだ朝6時にもなっていない。左右にはイリスと璃水がスヤスヤと眠っている。


イチロー「何かあったの?出来ればもう少し眠らせて欲しいけど‥。」


ステア「申し訳ございません。急に来客がありまして、ご主人様のご指示を頂きたいと思いまして‥。」

ステアが頭を下げる。


イチロー「こんな早朝に?んー、きっとステアのことだから予定のない訪問は断るはず‥。なのに俺に聞いてきたということは‥。断れない相手もしくは何かしらの事情があるのかな?」


ステア「ご名答でございます。」


イチロー「わかった。すぐに支度をするから応接室に待たせていて。」


ステア「宜しくお願いします。」

ステアがそそくさと部屋から出ていく。


物凄く嫌な予感がするけど仕方がないなぁ‥、イチローは渋々支度を始める。


それから10分後、イチローが応接室に入ろうとするが、部屋には殺気が溢れていて本能が部屋に入るのを拒否する。


一度扉を閉める。


イチロー「無理!息が詰まったよ。一般市民にはハードル高いよ。もう戦場かと思ったよ。」

イチローが扉の前でバタバタしていると、扉が開いて明日香が出てくる。


明日香「イチ、何してるの?早くて入っておいで!」

明日香は笑顔だが、目が笑ってない。


イチロー「ごめん、お腹痛くなったからパスしたいかな‥。」


すると明日香が腕を組んでくる。


明日香「逃がさないわよ。」

笑顔だが、腕を持つ手に力が入る。


イチロー「腕折れるから!離して!!」


明日香「とにかく中に入って!」

そういうと明日香はイチローを引きずって部屋の中に入る。


緋莉、明日香、メア、プリムラ、ウィット、八重花、咲夜が殺気立ってる‥。

我が家の武闘派が揃ってるみたいだけど。


全員が睨みつけている先に獣人の女の子が椅子に座っていた。

これだけ殺気のある部屋にいるのに涼しい顔をしている。


イチロー「お待たせしました。ご用件を伺っても?」


???「お前が使徒か?」

獣人の女の子が嬉しそうに訪ねてくる。


イチロー「えっ?違いますよ。」


???「あれ?この屋敷に強い奴が集まってるから来たのに‥。」

ケモ耳がシュンと下がる。


イチロー「最近、使徒キーワードを良く聞くけど、そんなおっかない奴がいるわけないよね。」

イチローが笑いながら周りに尋ねるが誰も目を合わせてくれない。


使徒ってエ○ァに出てくるアレだろ?いくら異世界だからって、いるわけないですね?神様。



神『お前さんのことじゃ。』


イチロー「えっ、俺ってカ○ル君だったの?」


神『カオ○が誰なのかは知らぬが、お前さんが使徒なのは本当じゃ。』


イチロー「いつからですか?」


神『奴隷商あたりじゃな。』


イチロー「最近じゃないですか!ちなみに理由は?」


神『理由じゃと?お前さんが無茶ばかりするから人間では死んでしまうから仕方がなく使徒にしたんじゃ!!まぁ、今後が面白くなりそうじゃったのもあるけどな‥。」


イチロー「大変失礼致しました。」


神『まぁ、頑張れ。では‥。』


さて、この状況をどうしよう‥。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る