第92話 震撼3
使徒降臨の知らせが獣人の国(ウェスト)にも届いた。
獣王「お前達は何を慌てているんだ?」
参謀「獣王様は馬鹿ですか?」
獣王「お、お前!王を馬鹿呼ばわりするのか!?」
獣王が机を叩いて抗議する。
周りの者はビクッとなったが、参謀だけは涼しい顔をして受け流す。
参謀「たしかに馬鹿は言い過ぎでした。では、脳筋。」
参謀が冷めた目で追撃を入れる。
獣王「脳筋??」
参謀「やっぱり馬鹿ですね。」
参謀の男がクスッとバカにして笑う。
獣王「もういい!!それで何が問題だ?」
参謀「先程から説明していますがきいてますか?」
参謀が呆れた顔でやれやれとポーズをとる。
獣王「難しくてわからん。」
獣王が真顔で答える。
さすがに場にいた者が全員凍りつく。
参謀「わかりました。脳筋にもわかるように説明しますね。」
参謀は幼い子供を見るような目で獣王をみる。
獣王「何故かイラってしたが‥。」
参謀「チッ‥。」
参謀が舌打ちをする。
参謀「簡単に説明すると、神様の部下がこの世界にやってきたのです。」
獣王「なる程。で、そいつ強いのか?」
全員が渇いた目で獣王を見る。
参謀「強いとかは関係ないです。それより神様は理解出来てます?」
獣王「凄い奴だろ?」
参謀「嫌、間違ってはないですが微妙に勘違いしてそうで聞くのが怖いですね‥。」
獣王「で、強くないかもしれない奴が来ただけだろ?俺は弱いものには興味ない!!」
参謀「ザユドが動きました。」
参謀が冷静に事実を伝える。
すると獣王から殺気がもれ出す‥。
獣王「糞耳長が動いた??本当か?」
獣王が威殺しそうな目で参謀を睨む。
参謀「密偵の情報ですので確実です。どうも自分の娘を使って使徒様を籠絡するつもりのようです。きっと子供を作って結婚させるでしょうね。」
獣王が何かを考えだす。
獣王「使徒がどんな奴かわからんが糞耳長に先を越されるのは気に喰わん!とりあえずシーラを向かわせろ!!」
獣王の命令を聞いて、全員がバツの悪い顔をする。
獣王「どうした?俺の命令が聞けないのか??」
獣王が怒りをあらわにする。
獣王の殺気に当てられて全員が萎縮するなか参謀が重い口を開く。
参謀「申し訳ございません。使徒様のことを何処で聞いたのか‥、昨日には単独でホラント国に向かったようです‥。」
獣王が驚いて目を白黒させる。
獣王「まぁ、耳長より早く接触出来そうだな‥。」
獣王は自分に言い聞かせるように独り言を呟く。
参謀「籠絡ではなくて、殺さなければよいのですが‥。」
獣王が目を見開く。
獣王「か、仮に殺したらどうなる?」
参謀「世界が滅ぶだけです。」
参謀が遠い目をしながら答える。
獣王「すぐにホラント国に連絡しろ!!腕利きを集めて止めろと!」
参謀「わかりました。すぐに連絡します。」
獣王「間に合えばいいが‥、アイツは俺より喧嘩っ早いからな。」
獣王の心配は現実のものになろうとしていた。
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