第89話 王城4
シャールの説明を聞いて、全員が考え込んでしまった‥。シャールにとっては予想外の反応であった。
やっとの思いで王が口を開く。
クラウス「鑑定でそこまでのことが分かるとは‥。普通の人間ではないな‥。」
ルアナ「きっと使徒様なのでしょう‥。」
メイベル「使徒様が我が国にいるなど聞いたことない‥」
コンスタンティン「父上、これは大問題です。他国に使徒様の事が知られると、我が国が独り占めしていると疑われる可能性があります。」
シャール「あの‥」
ルアナ「もし法皇国の耳に入りでもしたら、下手したら戦争になりますわ‥。」
シャール「すいません‥」
シャールが声を出すが誰も聞こうとしない。
クラウス「他の国も危険だ。下手をすると我が国は滅ぼされる可能性が‥。」
シャール「あの!」
とうとう我慢出来なくなったシャールが大声をあげる。
メイベル「どうしたのシャール?」
最初は驚いたメイベルだが、大好きなシャールの事なので、気持ちを切り替えて優しく問いかける。
シャール「そ、その‥」
イチローにキスした事を伝えるつもりが急に恥ずかしくなって顔を赤らめる。
ルアナ「使徒様と何かあったの?」
様子のおかしいシャールに問いかけてみる。
シャール「イチロー様に捧げてしまいました‥‥‥私のファーストキスを‥」
シャールが家族に思い切って告白したが、最後の言葉を全員は聞き逃してしまっていた。
クラウス「み、操を捧げたのか?」
メイベル「や、やったの?」
コンスタンティン「本当なのか?」
ルアナ「??キス?」
全員の言っている事を理解していないシャールは皆んなの取り乱しに驚いてしまい、とりあえず頷いてしまう。
クラウス「た、大変だ!!婚姻前に性交渉するとは‥。さすがに責任をとって貰わない‥。しかし、どうやって他国に説明すればいいのか‥。」
メイベル「わ、私のシャールの初めてを奪うとは!!殺してやる!!!」
コンスタンティン「とりあえず使徒様に登城してもらいましょう!」
ルアナ「シャールったら、キスぐらいで動揺しちゃって‥。まだまだ子供ね。」
4人の反応が分かれてしまっていた。
シャールの一言がイチローのスローライフの妨げになろうとは、この時点で知る者は神を除いていなかった。
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