第72話 雑談


 腕が痺れてきた感覚で目が覚める。目覚めとしてあまり良い起き方ではないと思う。目を開けると、右腕に緋莉。左腕に明日香。身体の上に雪花が寝ていた。

脚に誰かが引っ付いているがたぶん璃水だろう。

これだけ多いと暑くなりそうだが、雪花が冷んやりしているから、丁度良い感じになる。


緋莉が目を覚ます。

緋莉「おはよう。」

イチロー「おはよう。」


緋莉「昨晩は凄かった。」

イヤイヤ、薬飲ませたよね?


緋莉「みんな疲れて寝てる。」

俺も寝たいです。


その後、数分間沈黙が流れる。

喋らないのなら、寝て良いですか?


緋莉「アイツら呼び出す?」

黒い人の事を思い出したのか、枕にしている腕を掴んで力を入れる。


落ち着いて下さい。

腕折れますから!


イチロー「みんなを守る為であれば、呼びたいと思います。」

ここは真剣に答えておく。


明日香「私達は武闘派ではないから‥。」

俺と緋莉の会話の途中で起きたようだ。


イチロー「今日話した妖怪達はそんなに強いんだ。」


緋莉「強い。」

明日香「強いわよ。」

2人の声が揃う。


イチロー「他にも強い妖怪いるの?」


明日香「まだまだいるわよ。海坊主、大天狗、ダイダラボッチ、土蜘蛛、牛鬼、龍、ハクタク、酒呑童子、鵺、死神。そして八岐大蛇。」

緋莉「まだいる。」


イチロー「も、もうお腹いっぱいです。

あっ、まさか鬼太○も?」


明日香「ぷっ、アニメの見過ぎ。」

明日香にバカにされた‥。


イチロー「別に世界征服したいわけじゃないんだけど‥、もしもの時は必要になるかもね。」


まぁ、そんなことは滅多に起こらないと、その時は思ってました。

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